「アンチエイジング」という言葉はよく耳にするものの、「詳しくはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。美容のイメージが強い方もいるかもしれませんが、実はアンチエイジングは、健康的に歳を重ねるうえで非常に大切な考え方です。
この記事では、アンチエイジングの考え方や今アンチエイジングが注目されている理由について解説します。アンチエイジングについて詳しく知らないけれど気になっている方や、若々しく健康的な生活を送りたいと思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
アンチエイジングとは
アンチエイジングとは、「抗加齢」を意味する言葉です。病気を治療する医療ではなく、「健康な人のさらなる健康」を目指す、予防医学の考え方に基づいて生まれました。老若男女問わず、多くの方が「いつまでも若々しい心と体でいたい」「実際の年齢よりも若く見られたい」といった思いをもっているのではないでしょうか。
アンチエイジングはすべての世代において大切といえますが、とくに若年層から中年層までを対象に使われている言葉です。高齢者が健康で元気な状態で年齢を重ねることは「サクセスフル・エイジング」とも言われています。アンチエイジングは、高齢者と呼ばれる65歳からの人生を若々しく迎えるうえで大切な考え方といえます。
アンチエイジングから学ぶ「老化は病気」の考え方
従来、老化現象は「年齢を重ねるにつれて起こり、逆らえないもの」と考えられていました。しかしアンチエイジングが広まるなかで、老化を「病気」として捉える考え方が生まれたのです。
実は、100歳以上の超高齢者について研究を進めたところ、バランスのよい生理的な臓器の老化は、病的な老化と比べて進行が穏やかであることがわかりました。すなわち、老化は病気がある状態で進む「異常老化」と、病気がない状態で進む「正常老化」があるのです。異常老化は、アンバランスな状態で進行する病的な老化と考えられています。
たとえば、がんや認知症など、年齢を重ねるにつれて発症リスクが上昇する病気を考えてみましょう。「老化は病気」の考え方にもとづくと、がんや認知症自体が病気なのではなく、「老化」という病気の症状としてがんや認知症が現れているといえます。一つひとつの症状を治療するのではなく、根本にある老化そのものにアプローチするのがアンチエイジングの考え方です。
アンチエイジングが注目されている理由
アンチエイジングが注目されている理由の一つに、少子高齢化による課題の解決が挙げられます。日本は少子高齢化に伴って、医療や福祉に必要な国の費用が増大しています。将来的には、保健医療や年金などの仕組みが維持できなくなる可能性も懸念されている状況です。
年齢を重ねても健康で元気な状態を維持できれば、現役を継続できる高齢者も増えることでしょう。健康寿命を延ばすことはもちろん、日本の社会状況からも、アンチエイジングは注目されているのです。
アンチエイジングの基本は生活習慣の改善
アンチエイジングの基本は、生活習慣の改善による病的老化の予防や治療です。食生活の乱れや運動不足による肥満、過度なアルコールの摂取、喫煙など、日ごろの生活習慣が健康状態に大きく影響することは、知っている人も多いことでしょう。食生活や運動習慣、ストレスへの対処など、日々の生活を見直すことがアンチエイジングの第一歩です。
アンチエイジングはそのほかにも、サプリメントや薬を使ったアプローチや、美容外科や鍼灸なども含まれます。また、従来の人間ドックに加えて、血管年齢や骨年齢などの老化度を測定するアンチエイジングドックも登場しています。自分の状態を正しく把握して、自分に合った対策を立てられるのです。
アンチエイジングに役立つアイテム
生活習慣の改善に加えて、加齢に伴うお悩みに合ったアイテムを使うことも、アンチエイジングでは大切です。若々しい肌を保つことや血管年齢の改善、老化の原因になる活性酸素の除去に役立つアイテムを紹介します。
ヒト幹細胞培養液含有クリーム
ヒト幹細胞培養液とは、美容医療や整形外科分野での効果が期待されているものです。「幹細胞」とよばれる特殊な細胞を培養した際の上澄液を使用します。培養液には幹細胞が分泌した成長因子が含まれていて、炎症を抑えたり、傷ついた細胞の修復を助けたりする効果があると考えられています。ヒト幹細胞培養液を含むクリームは、組織の修復を促すことで、シミやシワの改善に役立つでしょう。
電位治療器
電位治療器は、電位を与えることで体の不調を治療する家庭用の医療機器です。電位治療は、頭痛や肩こり、便秘などの症状を緩和する目的で使用されます。原因がはっきりしない不調は、生活習慣の乱れが原因と考えられています。
アンチエイジングには生活習慣の改善が重要ですが、体に不調が出ている場合は症状を改善することが先決です。原因が明らかでない症状は薬がうまく効果を発揮しないことも考えられるため、薬以外の方法を試してみるのもよいでしょう。
サプリメント
手軽に始められるサプリメントも、アンチエイジングでは注目されています。サプリメントを選ぶ際は、ヒトの臨床試験で効果が確認されているかどうかや、体内で吸収されやすい素材が用いられているかどうかが重要なポイントです。
アンチエイジングの観点から注目されている成分はケイ素です。ケイ素は髪や肌、内臓など、体のあらゆる組織に存在して組織の結合を保つ働きをしています。しかし、ケイ素は体内で作り出せないミネラルで、年齢とともに体内のケイ素は減少してしまうのです。毎日10〜40mgのケイ素が消費されていると言われていて、消費量を補うためには1日30mg以上摂取することが理想とされています。
ケイ素は試験管内での実験で、活性酸素を除去する作用が認められています。活性酸素は細胞にダメージを与えることが知られているため、体内の活性酸素を除去できれば、アンチエイジングに役立つかもしれません。
まとめ
アンチエイジングは、予防医学の考え方に基づいて生まれた概念です。老化を病気の一つと捉え、健康的な生活習慣を身につけることで、いつまでも若々しく元気に生活することを目指します。アンチエイジングには生活習慣の改善に加えて、サプリメントや薬を使ったアプローチもあります。生活習慣の見直しをしながら、自分のお悩みに合わせたアイテムを上手に取り入れて、若々しく歳を重ねていきましょう。